次世代半導体研究開発事業
事業概要
本事業では、「GaN等の次世代半導体に関して、材料創製からデバイス化・システム応用までの研究開発を一体的に行う研究開発拠点を構築し、理論・シミュレーションも活用した基礎基盤研究を実施することにより、実用化に向けた研究開発を加速すること」を目的としています。次世代半導体の実用化の加速による省エネルギー社会の早期実現に加えて、世界に先駆けた次世代半導体の市場投入による産業競争力の強化を目指すものです。
研究開発拠点の中核を担う「中核拠点」を設置し、各領域で行われる研究開発のとりまとめ等を行うとともに、結晶創製に係る研究開発を実施します。さらに、「評価基盤領域」において結晶及びデバイスの評価に係る研究開発を実施するとともに、「パワーデバイス・システム領域」、「レーザーデバイス・システム領域」、「高周波デバイス・システム領域」においては、各デバイスの作製にかかる研究開発を中核拠点及び評価基盤領域と連携しながら推進します。
各研究内容
中核拠点の研究内容を開く
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GaN基板の製造技術
応用領域ごとに、最適なスペック、コストでのGaN結晶を提供可能とする欠陥制御技術を確立
GaN結晶作製技術 -
結晶成長過程の解明
結晶成長過程における“その場観察”により、結晶中の欠陥導入プロセスを完全理解
欠陥(転移)の3次元可視化 -
結晶成長シミュレーション
マクロ~ミクロ領域での現象を一体的に含む結晶成長プロセスを、シミュレーションにより予測
大口径GaN結晶成長装置
パワーデバイス・システム領域の研究内容を開く
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エピ成長中の欠陥評価
デバイスの電気特性に影響する欠陥の特定と、欠陥の発生
メカニズムの解明 -
イオン注入、エッチング等のプロセス最適化
デバイスのプロセス過程において欠陥が導入される機構を解明
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デバイス特性と欠陥との関係解明
デバイスに導入・誘起される欠陥が、デバイスの実特性へ及ぼす影響・相関を解明
「欠陥」と「デバイス特性」の相関解明
レーザーデバイス・システム領域の研究内容を開く
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量子殻活性層形成と高光閉じ込め
発光領域における高光閉じ込め実現のための3次元構造を有する量子殻活性層形成技術の確立
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トンネル接合形成と低損失共振器
低損失共振器実現に向けた高損失・高抵抗p型GaN代替の低抵抗トンネル接合形成技術の確立
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仕事関数制御コンタクト形成と低素子抵抗
発光素子における半導体コンタクト層・電極層双方の仕事関数を制御した低抵抗コンタクト形成技術の確立
評価基盤領域の研究内容を開く
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高精度欠陥評価、不純物分析
結晶中の各種欠陥、および不純物を、原子レベルの高精度で評価・検出する手法を構築
表面欠陥評価 -
標準要素デバイス評価法の標準化
デバイスの要素構造をウエハ上に作製し、電気的な特性評価の手順化・標準化を実施
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欠陥、デバイス評価のデータベース構築
各拠点、領域での評価結果を共有化し、ウエハ上マッピングデータとして整理されたデータベースを構築